夫れ以んみれば〜見えて候なり

 夫(そ)れ以(おも)んみれば末法流布の時・生を此の土(ど)に受け此の経を信ぜん人は如来の在世より猶多怨嫉(ゆたおんしつ)の難甚(はなはだ)しかるべしと見えて候なり

《通解》
 そもそも考えてみれば、末法という法華経流布の時に、人生を娑婆世界に受け法華経を信じる人は、仏がこの世にいる時よりも「猶多怨嫉の難」が激しく起るだろうと経典に明らかである。