法華取要抄

 文永11年(1274年)5月24日、日蓮大聖人が53歳の時、身延から下総国(しもうさのくに=千葉県)の富木常忍(ときじょうにん)に与えられた書。略して取要抄といいます。
 十大部の一つで、御真筆は中山法華経寺にあります。また富士大石寺には日興上人及び日目上人の写本が存在します。

 文永11年3月26日、流罪を赦免(罪や過ちを許されること、なので適切かどうかは疑問)された日蓮大聖人は佐渡を出発して鎌倉へ戻られ、5月12日に甲斐国(かいのくに=山梨県)の身延山に入られているので、身延に入ってから12日後には執筆されていることになります。

 法華経の要中の要である三大秘法の南無妙法蓮華経こそ、末法弘通の本尊であることを明かされています。